マエストロの手
先日、日本が誇るマエストロ、渡辺香津美さんのギター生演奏を聴くことができました。
ほんとうは、某人気若手ギタリストさんのコンサートに誘っていただいて行ったのですが、
当日会場で、香津美さんが特別ゲスト!!!と知ったのでした。
こんな願ってもないサプライズがあるでしょうか~!
そのうえ、手元がとてもよく見える座席だったので、
感じることや、勉強になることがたくさんありました。
若手ギタリストさんが、あの手この手でこれでもかと繰り出す超絶技巧を、
香津美さんは悠然と受け止めていました。
その安心感、安定感といったら!
相手の若手さんも、それをわかって思いっきり弾きまくっていて、
巨匠の庭で遊ぶギター小僧のようでした。
そして、香津美さんは意外にも手がそれほど大きくなさそうにお見受けしました。
いかにもやわらかそうな、ふっくらしたお手でした。
しかも、運指を見ていると、とてもスムーズで簡単そうで、
ついつい「私にもできる」と思ってしまう。。。
(これは以前ジョアン・ジルベルトを見たときと同じ勘違いですが。。)
そうかと思えば、アンコールで某有名シンガーさんが飛び入り参加すると、
今度は完全に自分の存在を消して、「伴奏者」にまわっていた。
本物のプロフェッショナルを拝見しました。
きっと、今まで(そして今も)同じフレーズを
何千回も何万回も稽古されてきて、あの手が作られたのだろうなと思います。