私が南の島に行けない理由

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先日、今話題のこの本を読みました。皆さんの中にも読んだ方がいるのではないでしょうか。
読書家の友人たちが軒並みこれを読んでいて、私もすすめられたのです。

戦争の話は、親から耳にタコができるほど聞かされて育ったので、
子どものころはうっとうしく感じたけれど、
この年齢になると、同じ話でもいいから何度でも聞かせてほしいと思います。
日本人ならばたぶん、誰でも親族をたどると、
戦争で亡くなっている人がいるのではないでしょうか。

私にも、南方で亡くなったおじさんがいます。
たぶん25、6歳だったはずです。
どんなに恐ろしかったか、どんなに無念だったかと思う。
そのおじさんと私は不思議なめぐりあわせがあり、
おじさんがいなかったら私は生まれていないと思うのですが、その話はまたにして、
どの島で亡くなったのかがわからないのです。
だから、グアムとかサイパンとか、壮絶な戦いがあった南の島には、
どうしてもリゾート気分で行く気になれないのです。ハワイもそうです。
別に、そういう気分で行くのが悪いという意味ではなくて、私個人が行けないということです。

つい数日前にも、散歩がてら入った古書店で、
昔大好きだった『星の牧場』という本を見つけました。
この本は、小学生のころに本屋さんでたまたま見かけて、
美しいタイトルと長新太さんの絵に惹かれて自分で買ったのですが、
いつのまにかどこかになくしてしまったのでした。

きれいな本なのですが、実は戦争の話です。
無事に生還できたけれど、南方の戦闘で心に深い傷を負った若者の話です。
主人公の痛みや苦しみが、子どもにもよくわかるように書かれていて、
それでいながらあまりハードなストーリーではなく、のどかな牧場が舞台で、
ほんとうに愛のある良い本だと思います。

そういえば去年だったか、『戦火の馬』という映画もやっていました。
ふつうの農耕馬として育てられた馬が、第一次大戦に駆り出されるお話です。
これもいい映画でした。

とにかく戦争は、誰にとってもいいことはない、最も愚かな行為ですね。

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